地上182センチメートルを、キミと。
もうすぐ入学式が始まる。
香川くんと指を絡めてホールに向かう。
「・・・・・・・・・・小春、付き合った記念にキスしようよ」
香川くんが足を止めるから、ワタシも止まらざるを得ない。
「・・・・・・・・・・ヤダよ。 誰もいないトコがいいよ」
ココ、ドコだと思ってるんだよ、香川くん。
普通に人いっぱい歩いとるやんけ。
「じゃあ、学校終わったらオレん家行こうよ。 オレ、1人暮らしだから」
「家から全然通える距離なのに、なんで1人暮らし始めたの??」
『引っ越す』とか言うから、てっきり県外に行っちゃうんだと思ってショック受けてたんだから。
「1人暮らししてみたかったから。 で、来るの?? 来ないの??」
理由、そんだけかよ。 結構落ち込んだってゆーのに。
そして、香川くんは結構短気だ。 すぐ返事を求めるし。
それに、聞かなくても分かるでしょうが。
「・・・・・・・・行きたいです」
香川くんの部屋、見たいに決まってるじゃん。
「大歓迎です」
香川くんが、照れまくるワタシを見ながら笑った。