地上182センチメートルを、キミと。
「・・・・・・・女の子じゃないですよ。 こんなにデカイ子どもなんかいませんよ。 ワタシの背中に色気なんかないし、別に見られてもいいですよ。 ・・・・・・・香川くん、次の授業サボりたいらしいし」
笑いながら、自らTシャツを捲り上げてやった。
ワタシはいつから『女の子』じゃなくなってしまったのだろう。
『女を捨てる』ってよく聞くけど、ワタシは捨てるモノが無い。
ワタシが『女の子』だった時期なんて、あっただろうか。
「・・・・・・・バラすなや、小泉」
香川くんが険しい顔で笑った。
センセイも、香川くんと同じ様な笑顔を作りながら、そっとワタシの背中に湿布を貼り付けてくれた。
「・・・・・・・アレ?? 湿布、1枚しかなかったかな??」
センセイが、もう1枚貼ろうと袋の中を探るも、入っていない様子。
・・・・・・・・・こんなにデカイ湿布、1枚で足りないなんて・・・・・・。