地上182センチメートルを、キミと。
「・・・・・・・顎、どうしたの??」
男の子の顔は、左右の大きさが違うくらい腫れていた。
「・・・・・・・歯が痛くて」
男の子が痛そうに、頬や顎を擦った。
「歯医者さん行きなよ」
「学校来る前に行った。 学校来たら、尋常じゃなく痛くなってきて・・・・・だからオレが保健室で寝てたのは、サボりじゃないんで。 香川さんとは違うんで」
男の子は、ベッドの中でウチラの会話を聞いていたらしい。
男の子がドヤ顔で、香川に笑いかけると『1年のくせに生意気』と香川くんが笑い返した。
「余ってる冷えピタ貼ってあげるから、背中出しなよ。 別に恥ずかしくないんでしょ??」
男の子が冷えピタのシートを剥がす。
言われるがままTシャツを捲くると、『可哀想に』と言いながら、男の子が冷えピタを貼ってくれた。