地上182センチメートルを、キミと。






「ハイ、おしまい」





男の子は、冷えピタを貼り終わると、Tシャツを下ろしてくれて、その上からそっと撫でてくれた。





何でだろう。 香川くんに擦ってもらった時は『巨人のワタシなんかに・・・・・申し訳ないな』と思うのに、この男の子だと素直に有難いなって思う。






しかし、今日はなんか嬉しい日だ。





巨人のワタシが、家族以外の人にこんなに心配してもらった事なんて、いつぶりだろう。






「・・・・・・ねぇ。 小泉センパイって、身長何センチ?? 下の名前って何ていうの??」





小柄な男の子が、ワタシよりひとまわり小さな手で、ワタシの背中を撫でる。





・・・・・・・名前より身長の方が気になるんだな、先に聞くって事は。






・・・・・・・まぁ、イイケドさ。






「182センチの小泉小春です。 ・・・・・・名前に『小』が2コも入ってるって笑えるっしょ。 苗字は仕方ないにしても、名前はもっと空気読んで付けるべきだったと思うよ、ウチの親」





昔から『巨人のくせに小春』と散々言われてきた為、いつからか自分から話のネタにするようになった。






他人に言われるより、自分の口から言った方が傷が浅くて済む。







・・・・・・・まぁ、もう言われ慣れてるから、免疫出来てるけど。
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