地上182センチメートルを、キミと。
小春が教室を出て行った後
「・・・・・・繭、ゴメン。 オレもちょっと用事があって・・・・・」
繭の手を静かに降ろす。
「・・・・・・用事って、何??」
繭が、その大きな瞳でオレを見上げた。
・・・・・・・別に隠す事じゃない。
でもきっと、言ってしまったら繭も付いて来てしまう。
繭は人に勉強を教えられるほど頭が良いワケではないし
繭がいたら、小春はさっきみたいに笑えなくなってしまう気がする。
大志と一緒にいる時は、自分のコンプレックスを気にせず喋れる小春。
可愛くて、女の子扱いを存分に受けてきたであろう繭がいたら、きっとまた小春は苦笑いしかしなくなる。