地上182センチメートルを、キミと。
「・・・・・・・だから、香川さんが説得しなきゃダメなんですよ」
大志がオレに視線を合わせた。
「小春ちゃんの気持ち、何にも分からない香川さんが、小春ちゃんの心にズカズカ踏み込まなきゃダメなんですよ」
・・・・・・・・・。
大志の言いたい事は分かるけど・・・・・・・何、この馬鹿にされてる感。
「時には香川さんみたいな無神経さも必要です!!」
・・・・・・・・大志、オレの事ハッキリ『無神経』って言いやがった。
確かに無神経な節はあるけれども!!
「オマエ、言い方!! 出世できねーぞ、大志!!」
大志の頭を軽く叩き、立ち上がった。
もう小春に面談の順番が回ってきてしまっているだろうか。
進路指導室へ急ごうとした時
フと思った。
「・・・・・・・・・大志、コレをオレにさせたくて、オレの事待ってたんだろ」
「チョロいッスね、香川センパイ♪」
頭の悪い後輩に使われるオレ。
・・・・・・・・ダサすぎる。
・・・・・・・・まぁ、いっか。
大志、すげぇイイヤツだから。