地上１８２センチメートルを、キミと。

「オレだって、元コドモだし。　オレは小春みたいなセンセイ、イイと思う。　・・・・・・ねぇ小春。　保育園も学校も会社でも、万人に好かれるって難しい事だと思わない？？　小春だって、苦手な人、１人くらいいるだろ？？　自分を嫌ったり否定したりする人に遠慮するんじゃなくて、自分を好きで応援してくれる人の思いに応えるべきだと思わない？？」





なんだ、この『だからオレの思いに応えろ』的な押し付け。





なんでオレ、理系なんだろう。





こんな時、小春が納得出来る様な言葉が出てこない。





・・・・・・・・・もうすぐ、小春の順番が回ってくる。






「・・・・・・・・ホントに、ワタシに香川くんの子ども、預けてくれるの？？」






小春が、福祉学校の資料に目を落としつつ、それをぎゅうっと握った。






「絶対。　約束。　小春の働く幼稚園が定員いっぱいだったとしても、どうにかしてねじ込むから」






「・・・・・・・・・じゃあ、いっぱい〔高い高い〕してあげる。　・・・・・・・ワタシ、保育士さんになる」






・・・・・・・・・間に合った。







オレの思いは、何とか小春に届いた。