地上182センチメートルを、キミと。
「オレは美容師になる。 ウチ、美容室やってるから、継ぐ予定」
当たり前の様に答える大志くん。
どうりで。
大志くん、いっつも髪型オシャレだし。
誰とでもフレンドリーに話せるから、向いてると思う。
「大志が美容師になったら、切りに行くわ」
そう言う香川くんに便乗して
「ワタシも絶対行く!! 可愛くしてね!!」
ワタシもお願いすると、大志くんがじーっとワタシの顔を見た。
・・・・・・・・恥ずかしいんですけど。
「・・・・・・・・何??」
何となく、大志くんから顔を背ける。
「・・・・・・・・小春ちゃんって、ファンデとアイブロウとリップ塗ってるだけでしょ」
大志くんが見事にワタシの化粧を言い当てた。
「・・・・・・・・さすが美容室の息子。 やっぱ、分かるモンなんだねー」
「今のままでも素朴で可愛いと思うけど、マスカラしたり、髪の毛巻いたりしたら、もっと可愛くなると思うよ」
大志くんが、ワタシの髪を自分の指に巻きつけて笑った。