地上182センチメートルを、キミと。






「・・・・・・・小春ちゃんさ、もしかして『メイクしても巨人は巨人』って誰かに言われた事ある??」






大志くんが、俯くワタシを見上げた。






・・・・・・・・・大志くんには何も言わなくても伝わるのに。






「・・・・・・・うん」







中学の時、周りの女子が一斉にメイクやヘアアレンジを本格的にやり始めた。






身体が大きくたって、ワタシだって女子。 同じ様にメイクに興味が湧き出した。






雑誌やネットを見てメイクのやり方を研究して。






鏡の前で奮闘して、自分なりに綺麗に作り上げて登校した時






廊下ですれ違った女子に、コソコソ話をされて嘲われた。











『メイクしたって巨人に変わりないのにねー』








『残念ー』


















その日、トイレで泣きながらメイクを落として






学校帰りに、長かった髪をショートに切った。
< 74 / 137 >

この作品をシェア

pagetop