地上182センチメートルを、キミと。
「………………オレ、さっきちょっと嬉しかった。 小春が『キレイ』って言われた事」
身長がワタシより若干低い香川くんは、抱き合うとちょうどワタシの首辺りに香川くんの口がくる様で、香川が喋ると、首に息がかかって、こそばゆくて、何かエロい。
「……………………最高の慰めをどうもありがとうございます」
ちゃんと分かってる。
香川くんはただ、慰めてくれているだけ。
でも、抱きしめられながらこんな事言われたら、うっかり好きになってしまいそうになる。
どうせ報われない。
もし、香川くんが繭と付き合っていなかったとしても、こんなワタシと付き合いたいとは思わないだろう。
だってワタシは、香川くんより背が高い。
無駄に傷つきたくない。
『もうダイジョウブ』と香川の胸を押した。