どんなことも二人で乗り越えて
「俺は…何も聞いてないけど」
「そっか、ありがと」
と言ってその女子は自分の席に戻っていった
あんな夜遅くに呼び出したりして俺…あいつに風邪引かせたかな?
だとしたらしゃれにならない罪悪感だ…
一限目終わったら発信履歴残っているだろうし電話かけてみるか…、俺は力なく椅子を立てて座った
少し肥えた数学の教師……の後に続いて遥香が教室に入ってきた。また教室内がそわそわとする
数学の教師は教卓に持ってきたものを置いて前を向くとこう言った
「ええと、今日神崎が珍しく遅刻したが、ただの寝坊だから気にしないように。」
お得意の丸眼鏡をクイッと人差し指で上げながら当たり前のことを言う姿にクラスは大がつく程の爆笑
クラスのチャラいやつが
「センセーっ、んなこと言わなくたって皆分かってるって!っていうかー寝坊以外ないっしょ?」
とバカにする、それに煽られて皆の笑い声は余計大きいものになった…うるさい…
そこから咳払いで状況を立て直した先生は普通の授業をいつものように始め、みんな退屈そうに受けていた。