どんなことも二人で乗り越えて
俺は気怠く席から立ち、その女…多分篠山の方へ向かって歩く。
「はい…何か?」
すると篠山は顔を赤くしてこう言った
「あの…っ、ちょっと昼休みいいかなっ?」
あーあ、これは完全にあれですね…周りの男子血相変えてこっち睨んでるし。でも俺はそんな甘くないってことで、
「今ここじゃ…駄目なわけ?」
そうちょっと冷たい目で言うとしどろもどろしながら篠山はこう言った
「だっ、駄目だよっ!ここじゃ人が…多いもんっ」
その表情にクラスのヤローどもは完全にノックアウト状態、でも正直俺は女のこういう作った声?みたいなもんが一番嫌いな訳で
本当、容赦したくなくなるよね
「悪いけど…昼はダチと遊ぶ約束してっから、君の為にとる時間はないから。ごめん」
その俺の一言に空気は固まったみたいで、一瞬にして訪れる気分の悪い沈黙。そして段々と篠山の大きな瞳に溜まる涙
「そっか…っ、そうだよね…わかった。じゃあね…っく…」
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