どんなことも二人で乗り越えて
目を向けると緊張しながら神崎に話しかけている尚人
皆も俺と同じことを思ったのか尚人に微妙な視線を送る
次に尚人から飛び出した言葉は意外なものだった
「アドレス、ください!!」
そのセリフの直後、教室内がそわそわしだす

“あいつ…やりやがったな”
“よりによって初日神崎に!?”
“尚人のヤローっ”

などといったひそひそ声が聞こえてくる
俺もそのひそひそ声と全く同じことを思っていた。ていうか…大丈夫なのか?
でもそんな不安は一瞬で消し去られた
あの神崎が微笑んでOKを出したからだ
『ええと…高橋君、だっけ?アドレス?別にいいよ。ちょっと待って、ケータイ出すから』
クラスから一斉に歓声が沸き上がる。なんていうか、神崎の声久しぶりに聞いたけど…低くなってて大人の女、って感じなんだな。
「えっ!?いいんですか!?」
『いいよ?…赤外線でいい?』
おい尚人、顔真っ赤。なんて心の中で突っ込みながらも驚きを隠せない…イメージ崩壊ってやつですか?これ、
でも本当の驚愕ポイントはこれだけじゃなかったらしい
『あと、敬語じゃなくていいよ?』

< 4 / 44 >

この作品をシェア

pagetop