どんなことも二人で乗り越えて
「座ってください、組長…」
今や組員でもない校長が生徒である私を組長と呼ぶ時は、何か相当なことがあった時だ
私はソファーに腰掛け校長の震える言葉に耳を傾ける
「神崎が…組長の組を本気で潰そうとしています。昨日直接本人からお聞きしました」
『神崎がここに!?』
すると校長を頭を抱えて
「ああ…私を脅して無理やり彼を入学させた…」
と言った

『許さねえ…校長を脅すなんて…』
「いいんだよ、私は…私はあの世界を恐れて途中で放棄したんだから」
『でもな、やっていいことと悪いことが…』
「君があの時から組長だったら…私はまだあの世界にいたかもな」
『まさか…校長は優しすぎるんですよ』
校長は目を見開く
『あんた…いや、校長は神崎が言うような弱い人間じゃないですよ。あと、安心してください。神崎はこの学校を潰す気はないはずです』
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