どんなことも二人で乗り越えて
『それでは失礼します』
私は校長室を出て、途方に暮れたように廊下を力なく歩いた
すると…

「遥香ちゃん?」
突然名前を呼ばれて振り返る
『北山…先生』
「こーらっ、授業さぼっちゃ駄目だよ?」
『ははは、すぐ戻りますんで』
「あーっ、いいのいいの!保健室来る?」
『いやっ…ってえ!?』
先生は私の手を取り保健室へ歩き出した

薬品の匂いが漂うこの部屋…本当に久しぶりに来た
そしてこの少し強引な先生だが…校内No.1の美人教師と呼ばれている北山貴子先生だ
本当に優しくて、大人とは思えない無邪気さもあって…私が心から頼りにしている教師だ

『先生…』
「ん?…あ!聞いたよ遥香ちゃん!彼氏いたんだって?」
『まあ…はい』
そう、先生は生徒と仲良くしようとして何でも話す
…別に先生に非があるわけでもないし、悪気があるわけでもない
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