レインストーム
そう言った私の手はガタガタと震えていた。
『は?なに言ってんの?』
ギロリと鋭い目が私を捕らえて、ライターは簡単に奪われてしまった。そして再び髪の毛が強く引っ張られる。
『調子乗んなよ、まじで』
ボコッと鈍い音が腹部から聞こえ、激しい痛みに私は体を埋めた。
『まだ倒れんなって』
次は右、次は左と手や足が次々飛んでくる。バレないように顔は避けてるみたいだけど痛みでどこが殴られてるのか分からない。
『お前みたいなクズは調子に乗っちゃいけないんだよ』
耳元で囁かれるその言葉にプツンッと何かがキレる音がした。
なんで私がこんな目に合わなきゃいけないの?
ふざけんな。
『クズはお前達だろ』
私は真正面に居る渚に向かって思いっきり拳を振り上げた。
バコッと命中したパンチは顔面に直撃して、まるでスローモーションのように渚が後ろへと倒れ混む。
その1秒ほどの時間でスカッとする清々しさが込み上げてくるのを感じた。