レインストーム
□『優劣つけたいなら勝て』□
しかしそれは長く続かない。
渚を殴った後すぐに他の奴らの手が飛んできて、私はそのまま草むらで意識を失った。
『お前のせいだ』
その昼休み、勢いよく屋上の扉を開けた私は寝ている古屋に詰め寄った。
『あ?』
昼寝の邪魔をされて不機嫌だったけど、そんなの関係ない。私の方がもっともっと胸くそ悪い。
『だせー、なにそれ』
古屋は私を見るなりまた吹き出した。
私は止まらない鼻血のせいで鼻にはティッシュを詰めたまま。しかも制服には土や草の汚れがびっしり付いている。
『殴ったら余計殴られた。あんたがやり返せなんて言うから』
そもそも喧嘩なんてした事がない私が勝てるはずがない。殴った右手は痛いし最悪。
『だから俺のせいにすんなって。まぁ、鼻血だけで済んで良かったじゃん?』
『は?そんな訳ないじゃん』
私は制服をめくり上げると見えない場所はうっ血してアザだらけ。前髪も変な風に焦げてるし、きっと大人しくしてればここまでひどくはならなかった。