レインストーム
古屋は何故か私を上から下までなめ回して何かを言いたそうだ。きっといじめられるオーラが出てるとか、地味とか真面目とかそんなトコ。
『…………なに?
ってかもう昼休み終わるから私教室に戻る』
『いじめられてるのに?』
古屋はやっぱり私を馬鹿にしてる。
口元が笑ってるもん。
『いじめられてても勉強は出来るし』
それに授業中は先生の目があるから、さほど嫌がらせは受けない。死ねとかブスとか書かれた紙が回ってきたり、後ろから消しゴムのカスを投げられたりするぐらい。
『だったら言ってみれば?』
古屋は授業に出るつもりはないらしくそのまま屋上に寝そべった。
『なにを?』
『私が死んだら責任取れんのかって、俺に言ったみたいに』
言える訳ない。
だって私は蜘蛛の巣に引っ掛かった蝶。少しでも動けば糸は強く絡まり、仲間が一斉に襲ってくる。