出会い系ランニング
「携帯、教えてよ」
「持ってない」
えっ、マジで‥?
高校生の子供に携帯持たせないなんて、厳しい家なんだな。
「会いたい時、家電にかけてもいい?」
「家電ない」
えっ、それってどういうこと?
「連絡とりたい時どうしてるの?」
「オヤジは携帯持ってるから」
お父さんの事、オヤジって呼ぶんだ‥珍しい。
お父さんの携帯を教えてもらう訳にはいかないし、う〜ん困った。
「じゃあさ、このコンビニの公衆電話から俺の携帯にかけてよ。そうだ、ちょっと待ってて」
俺が手首につけてるリストバンドは、タオル地で汗も拭けるしチャックが付いていてお金が入るようになっている。
小銭がチャリチャリするのが嫌で千円札を入れていた。
今時テレホンカードなんて売ってるのか疑問だったけど、レジで聞くと店員は淡々と出してくれた。
宅配物用のカウンターで紙を見つけて、自分の名前と番号をメモしてからテレカと一緒に差し出した。
「これでさ、時々かけてよ」
笑美は手を出さない。
「悪いよ、もらえない」
「俺が話したいからさ」
「オヤジに見つかったら殺される」
わぁ〜それは困る。
「こっそり持っててよ、俺と笑美の秘密」
俺は二カッと笑ってエミの手を取って、テレカとメモを握らせた。
その時の俺は、笑美が厳しい家だって事を大袈裟に言ったのかと思って笑って受け流したけれど、後になって思えばこれは重要な鍵だった。
「持ってない」
えっ、マジで‥?
高校生の子供に携帯持たせないなんて、厳しい家なんだな。
「会いたい時、家電にかけてもいい?」
「家電ない」
えっ、それってどういうこと?
「連絡とりたい時どうしてるの?」
「オヤジは携帯持ってるから」
お父さんの事、オヤジって呼ぶんだ‥珍しい。
お父さんの携帯を教えてもらう訳にはいかないし、う〜ん困った。
「じゃあさ、このコンビニの公衆電話から俺の携帯にかけてよ。そうだ、ちょっと待ってて」
俺が手首につけてるリストバンドは、タオル地で汗も拭けるしチャックが付いていてお金が入るようになっている。
小銭がチャリチャリするのが嫌で千円札を入れていた。
今時テレホンカードなんて売ってるのか疑問だったけど、レジで聞くと店員は淡々と出してくれた。
宅配物用のカウンターで紙を見つけて、自分の名前と番号をメモしてからテレカと一緒に差し出した。
「これでさ、時々かけてよ」
笑美は手を出さない。
「悪いよ、もらえない」
「俺が話したいからさ」
「オヤジに見つかったら殺される」
わぁ〜それは困る。
「こっそり持っててよ、俺と笑美の秘密」
俺は二カッと笑ってエミの手を取って、テレカとメモを握らせた。
その時の俺は、笑美が厳しい家だって事を大袈裟に言ったのかと思って笑って受け流したけれど、後になって思えばこれは重要な鍵だった。