出会い系ランニング
俺は誘いたい心が折れそうになって、
「公園があるから」
なんて言い訳みたいに言って、曲がり道に入った。

「俺が子供の頃にはブランコがあったんだけど」
家より手前にあるそこは、公園と言っても空き地に木のベンチがある程度なので、必然的に二人でベンチに座った。

たまにここでこうして座っている若いカップルが楽し気にいちゃつくのを見て疎ましく思ったりしたけれど、いざ自分が彼女と手を繋いで座ってみると、確かに誰に見られていようが関係ないくらい嬉しくて舞い上がりそうだった。
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