ヴァージン=ロード
「そうだ、せっかく集まってるんだし、みんなでご飯でもどう?」
レアが手に持っていた扇を口元に当てて、うふふと笑う。
「お、いいね」
良が乗り気になり、着替え終わったらみんなでご飯を食べに行くということになった。みんなが着替えに行こうとしたその時、私を呼び止める声がした。
「ちょっと、ISAKI、話があるの」
眼鏡をかけたポニーテールの知的美人、FlowerGardenの社長・花園翠が、白木さんとともに立っていた。
「どうしたんですか?」
「まあ、単刀直入にいうとお仕事の話なんだけどね。こちらの白木さんがご自分の作品の写真集を出すとのことで、モデルを一人使いたいんですって」
「……建築の写真に?」
仕事内容にピンとこなくて、私は首をかしげた。すると白木さんが一歩前に出た。そして私に資料を差し出した。
「そうなんだ。僕の作品の一部として、君に映ってもらいたい。ただ、こんなことを言うのは失礼かもしれないんだけど、主役はあくまでも僕の作品だ」
白木さんの言いたいことがなんとなくわかった。私に彼の作品に花を添える役をしてほしいと言っているんだ。