ヴァージン=ロード

「ISAKI、今度合コン行きましょ」

 私がきょとんとした顔をするので、レアが笑った。

「ISAKIに合コンって似合わない」
「別にいいけど」

 私の返答に、その場にいた全員が目をむいた。

「お前、男に興味あんの?」
「なにそれ」

 私は隣にいた良の頬をつねった。

「私だって独りは寂しいとか、思うんです」
「うわ、うわ、聞いた?」

 良が大げさに驚くけど、栞はわかるわと頷いている。

「リキはどうして結婚したの?」
「カノンだったからだよ。会って、話して、俺の人生にはあいつしかいねぇって感じた。それだけ」

 しれっと言ってのけたリキに、良と栞は真っ赤になったし、私も明らかに同じだろう。平気な顔をしているのはレアだけだ。

「こんな何食わぬ顔で惚気るとは……」
「この金銀コンビめ……」

 私はピッツァマリナーラを頬張る。やっぱり、冷めないうちに食べるに限る。
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