ヴァージン=ロード
「気に入ったわ、最高のものにしたい同志、ね。彼の作品の最高の一瞬を撮りたい、だから私も引き受けたのだもの」

 自分の夢を叶えたい、自分の作品の写真集を出したい、そんな宗広さんの想いに応えるように集まった私達。
 宗広さんのために、最高の物を作ろうと思う心――集まった同志。

 なんだか、心が熱くなった。そしてそれは宗広さんも同じようだった。

「本当に、ありがとうございます」

 私達は種をまいた。確かに、まいた。私達の手で育て、いずれ花開く種だ。

 その一歩を、私達は確かに踏み出した。




 今日は、いつのまにか黒猫プロジェクト――通称BCと呼ばれるようになった白木宗広作品集のための初めての撮影の日。柄にもなく、私は少しだけ緊張していた。

 仕事で緊張するのは、久しぶりかもしれない。今まで、自分がメインの作品や服飾、アクセサリーの広告などは何度も経験している。だけど、建物を引き立てるということは初めてだった。
 うまくできるのか、わからない。でもBCを成功させなければならないのだ。

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