ヴァージン=ロード
「最近遊びに行っていなかったものね」
「ののも伊咲に会いたがってるわよ。伊咲の写真見るたびに自分も伊咲みたいになるって大騒ぎ」
その時、携帯を片手にカノンさんが戻ってきた。
「どうでした?」
「それが、ちょうどオフだからリキも……夫も一緒に来るって。撮影の間は子供達の面倒を見てくれるって言っているんだけど……」
「ちょうどいいじゃないですか!」
夢乃が気楽に言うけれど、カノンさんは少し迷っているようだ。まあ、確かにあのリキが一緒に来るとなると、カノンさんはちょっと落ち着かないかもしれない。
「リキが見ていてくれるなら家にお留守番させてもいいんだけれど、リキがせっかくだから小旅行気分でって言うのよ……」
リキならそういうことを言いそうで、私は少し笑う。宗広さんもリキの言い分がおかしかったようだ。
「ぜひお子さんも旦那様も連れていらしてください。ラヴィンユがご家族旅行にふさわしい場所になるかはちょっと不安ですけど」
「あそこならお城みたいで子供達も喜ぶと思います。お心遣いありがとうございます」
そんなやりとりの後、ラヴィンユの撮影の日程が決まったのだった。