ヴァージン=ロード
「本当に……?」
私の掠れた声に、良は照れくさそうに頷いた。
良は、この世界に入ってから共に戦ってきた同士だった。私のよき理解者だった。同じように私も彼の理解者だった。
良がこれまでどんなことに苦しんで、歩んできたのかを知っていた。
その良が身を固めるという。
自分のことのように嬉しかった。
「おめでとう……っ!」
「おいおいおい、お前何泣いてんだよ」
良が慌てて私の涙をぬぐった。私はその手を払いのけて自分で涙をぬぐう。
「感極まった、意味わかんない!」
「いやいや、泣かれたこっちが意味わかんねぇから」
私は思い出したようにラーメンをすする。興奮していて味がまともにわからなくて、もったいないと思った。
「嬉しい、本当に。ってか、なんてプロポーズしたの?」
「いや、まだ」
「え!?」
てっきりプロポーズを受けた後の話かと思いきや、違ったらしい。