RealGameー恐怖は終わらないー
しばらく歩いていると、風が2人の間を通りぬけた。


空を見上げてみると、黒い雲に覆われている。


「ねぇ、怜央。また雨降りそうだよ」


「本当だ。早く終わらせて帰ろう」


暗くなっていく空に、さすがに怜央も表情を曇らせた。


自分から誘ったし、せっかくのデートを台無しにしたくないし、といったところだろう。


少し小走りになった所で雨が降り始めた。


つないでいた手はいつの間にか離され、怜央の舌打ちが聞こえる。


「ね、ちょっと待って!」
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