RealGameー恐怖は終わらないー
あたしが老婆の手を握ると、老婆はようやっと、という感じで立ちあがった。


この風と雨の中歩くことはできるだろうか?


できたとしても、出口まで何時間かかるかわからない。


老婆の体力も心配だ。


あたしは一旦老婆から手を離し、そして「あたしの背中に乗ってください」と、老婆の前でしゃがみ込んだ。


老婆は一言も発さなかったが、手探りであたしの背中をさがし、そして体重を預けてきた。


涙が出てきそうなほど、軽い。


ごめんなさい。


あたしのゲームに巻き込んでしまて、ごめんなさい。


出口を探している間中、あたしはずっと心の中で謝り続けていた。
< 116 / 525 >

この作品をシェア

pagetop