RealGameー恐怖は終わらないー
「どうも、すみませんでした」


旦那さんの方があたしに傘を差し出し、そして頭を下げてきた。


謝らなければいけないのは、あたしの方だ。


この女の子だって、おばあちゃんを置き去りになんてするつもりはなかったはずだ。


「いいえ。大丈夫ですから」


あたしは家族に目を合わすこともできず、傘を使ってくれと言ってくる旦那さんを断り歩き出した。


雨も風も更に強さを増していて、来客者の安全を確保するために閉園時間を早めるというアナウンスが、かろうじて聞こえてきた。


怜央はどこだろう……。
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