RealGameー恐怖は終わらないー
逃げたいのに、入口は人で溢れてなかなか外へ出られない人。


こけた子供を踏みつけて逃げていく人。


すべての秩序をうしなった院内を、呆然として見つめる。


たった数分で、こんなことになるなんて……。


人々の怒号や叫び声を聞きながら、あたしは和花の元へ走った。


「和花、これに乗って!!」


さっきの場所にうずくまり顔を伏せている和花の肩を揺さぶる。


「芹香……」


弱弱しい和花の声に、あたしはハッとした。

< 187 / 525 >

この作品をシェア

pagetop