RealGameー恐怖は終わらないー
☆☆☆

葬儀が終わって学校へ戻ってくると、前の席に白い菊の花が飾られていた。


和花は、もういない……。


綺麗な透明の花瓶が太陽の光でキラキラと輝いている。


あたしはその花瓶を割ってしまいたい情動にかられ、グッと拳を握りしめた。


和花の死はそんな綺麗なものじゃかった。


血を吐き、可愛い顔をゆがめて苦しんで死んでいったんだ。


和花は最期にあたしにヒドイ事を言ったかもしれない。


でも、それを聞いてホッとしている自分がいる。


もし、和花が最期まで自分の感情を押し殺し、上辺を滑るような言葉をあたしに投げかけ、微笑んで死んでいたら。
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