RealGameー恐怖は終わらないー
口から顎にかけて何カ月もそっていないようなヒゲをはやし、ボサボサの頭にはホコリが絡みついている。


まるで、ずっと家の屋根裏に潜んでいたような様子だ。


そして、その手には扉を壊すために使ったのだろう、錆びた工具が握られていた。


伸びた前髪の隙間からギョロリとした男の目が見える。


その目は怜央をとおりすぎ、まっすぐにあたしを見つめていた。


ドクンッと心臓がはねる。


これは、あたしのゲーム。


怜央に頼ってはいけないんだ……。
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