RealGameー恐怖は終わらないー
☆☆☆

久しぶりに駅まで来ると、そこは人でごった返していた。


「おかしいわね、今日は平日で通勤時間からもブレているのに」


と、お母さんが呟く。


「手、つないでないとはぐれるかもよ?」


あたしはお母さんに手を差し出した。


その手はしっかりと握り返される。


2人で少し遠くの駅の切符を買う。


乗車時間は約30分。


その間、逃げることがあたしの試練。


「芹香、行こうか」


「うん」


あたしは力強くうなづいた。
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