RealGameー恐怖は終わらないー
笛の音が響き電車のドアが閉る。


ガタンッと、一度大きく揺れて発信する電車。


あたしはチラチラと目だけ動かし、周囲を確認する。


痴漢らしい人間は見当たらないけれど、いつ誰が行動にでるかわからない。


その時に備えて、あたしは電車の中で比較的スペースのある場所を探した。


人の間を縫って歩くことはできなくはないと思う。


でも、できれば壁に背中をつけて後ろをガードできるような場所が必要だ。


30分間この中を動きまわるなんて、とても無理そうだから。


電車がガタンッと大きく揺れた時、あたしの太ももに手が触れた。
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