RealGameー恐怖は終わらないー
最初は偶然かと思った。


しかし、電車の揺れに合わせるようにしてその手はお尻までゆっくりと移動してくる。


きた……!


体に走る不快感。


腹の奥の方からブワッと黒いモヤのようなものが湧きあがり、それは一瞬にして怒りへと変換される。


ギリッと奥歯を噛みしめて、あたしは移動を開始した。


少しの人の間を縫って、手から逃れるために前へ横へと進んで行く。


それにあわせて相手も少しずつ移動を繰り返し、すぐにあたしに追いついてきて、また太ももに触れた。
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