RealGameー恐怖は終わらないー
大きな男性の脇を抜けて手を伸ばすと、あたらしの手のひらに冷たい壁の感触があった。


壁だ……!


ホッとして頬が緩む。


そしてその感覚を手放すまいと、あたしは体をグッと前へと押し出した。


目の前にクリーム色の壁が現れた時、あたしはすぐに体を回転させて背中を壁にピッタリとくっつけた。


そして体の前を自分のバッグでガードする。


目的の駅まであと3分ほどだ。


大丈夫。


これなら最後までいける。
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