RealGameー恐怖は終わらないー
ドッドッドッと、心臓がかけ足のように脈打つ。


次の到着駅のアナウンスが車内に響く。


あと少し、あと少し……!


その、瞬間。


いつの間にか見知らぬ男が目の前に立っていた。


まるで幽霊のように突然姿を見せた男は目を血走らせ、口の端から唾液を垂らしてあたしを見ている。


男の荒い息があたしの前髪を揺らす。


キスでもできそうな距離感に、あたしの体は固まっていた。
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