RealGameー恐怖は終わらないー
「早く目覚めてほしい。そう思いながら数日間、何度も何度も病室へ様子を見にいきました」


「……そうですか……」


俺は何と返事をしていいかわからず、小さな声で返事をした。


親でもないのに、『ありがとうございます』というのは、なにか違う気がしたから。


「ですが、目覚めた途端にこんなことになるなんて……」


看護師は真っ直ぐに前を見つめ、そう言った。


その言葉には何の感情も込められていないように感じて、俺は微かな寒気を感じた。


他の人とは違う。


咄嗟にそう感じる。
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