RealGameー恐怖は終わらないー
☆☆☆

入り組んだ住宅街を歩いていると、方向感覚が失われてくる。


俺は時々、駅にある背の高い建物を確認して方角を再確認した。


「あっ」


そう言って山路さんが立ち止まったのは、ポストの立っている歩道だった。


「どうしたんですか?」


駆け寄ってみると、ポストの近くに黒い革の財布が落ちているのが見えた。


「これ、かしら?」


山路さんが財布を拾い、首をかしげる。
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