RealGameー恐怖は終わらないー
そう言って部屋へ一歩入った瞬間、背中を押されて俺は前のめりに倒れてしまった。


床に手を付き「なに、するんですか」と、振り返る。


すると山路さんは無言のまま部屋に入り、そしてカギをかけた。


俺はその動作を疑問に感じながらも、芳香剤の匂いに顔をしかめる。


どうやらこの部屋からたくさんの香りが放出されているようだ。


むせるような香りの中、俺は起き上がってカーテンが引いてある窓へと手を伸ばす。


しかし、その手を山路さんが阻止した。


「山路……さん?」


なにか普通の雰囲気でないものを感じて、俺はその手を更に伸ばすことができなかった。
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