RealGameー恐怖は終わらないー
けれど。


「そうだね」


若花は次の瞬間、そう言って微笑んでくれたんだ。


「芹香は芹香だよね。英雄じゃなくて」


その言葉が、ジワッと心に広がっていく。


若花にはゲームの話はしていない。


だから、この言葉も素直に受け止めることができたんだ。


「……ありがとう、和花」


「え? なんで?」


「別に、なんでもない」


そう言って、あたしは大口でお弁当を食べたのだった。

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