まだ知らない愛。
少しだけの夢を見させてくれてありがとう。
一瞬でも私は幸せを感じれた。

瞬さんの横を通り過ぎた時

「お前は生まれてきたくなかったのか?」

足を止めて背中に感じる瞬さんの声。

振り返らない。

瞬さんも振り返らない。

「お前は生きたくないのか?」
少し震える瞬さんの声。
いつになく真剣で綺麗な声。
「なんで俺達と居られないんだ?」
「…」
「いつ俺達がお前を拒否した?」
「…」
「いつ俺達が迷惑だなんて言った?」
「…」

背中に感じる気配。

「俺はお前がいないと悲しい」
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