まだ知らない愛。

信じられない。
こんな穏やかな気持ちでいられるなんて…。
いつもならウザくて不愉快でしかないこの教室も今の私には全く気にならなかった。

私の過去を告げた夜、家には帰らず瞬さんの家に泊まった。
だからって何かがあったわけでもないし何かをしようとしたわけでもない。
その夜から2日が経つけどまだ家には帰っていない。帰ってこない私を母はどんな気持ちでいるんだろう。もしかしたら心配してくれているかもしれない。
でも…帰ったらまた殴られるかもしれない。

そんなことを考え続ける私に
「何一人で考えてんだ。悩みがあるなら言え。お前が一人で悩んでたら俺がいる意味ねぇだろ?」
と言ってくれたから私は素直に言ったら瞬さんは考える間もなく答えた。
「だから、お前が帰る場所は俺でいいって言ってるだろ?」
< 111 / 228 >

この作品をシェア

pagetop