まだ知らない愛。
「月野桜」
頬杖をついて私を見上げるその人は私の名前を確かめるように呟いた。
「だよな?」
「え…あ、はい」
突然フルネームで呼ばれて驚いた私だけどクラスメイトの名前くらい知っているのは当たり前か。
と思いつつクラスメイトの名前を一人も知らない私はひどい人間だろうか…
「合ってる。…あんたの後ろの席のいびき男は俺。」
「え…っ」
「それともう一つ。迎えが来てる」
「…?」
その人が指さす方向を振り返ると息を切らしている瞬さんと葵さんがいた。
遅れて大樹さんと昴さんも来た。
「桜!!!!」
すごい勢いで歩み寄って来て私の手を掴んで
自分の方へ引いた。
倒れ込む私を支える。
「帰るぞ」
その声は怒っているような威嚇しているようないつもよりも少し低い声。
瞬さんに肩を抱かれ屋上を後にする瞬間にその人は微かに呟いた。
「じゃあな」
振り返った私に向けられたその人の余裕気な顔。
でもすぐに後ろで歩く大樹さんと昴さんの陰に隠れて見えなくなってしまった。
頬杖をついて私を見上げるその人は私の名前を確かめるように呟いた。
「だよな?」
「え…あ、はい」
突然フルネームで呼ばれて驚いた私だけどクラスメイトの名前くらい知っているのは当たり前か。
と思いつつクラスメイトの名前を一人も知らない私はひどい人間だろうか…
「合ってる。…あんたの後ろの席のいびき男は俺。」
「え…っ」
「それともう一つ。迎えが来てる」
「…?」
その人が指さす方向を振り返ると息を切らしている瞬さんと葵さんがいた。
遅れて大樹さんと昴さんも来た。
「桜!!!!」
すごい勢いで歩み寄って来て私の手を掴んで
自分の方へ引いた。
倒れ込む私を支える。
「帰るぞ」
その声は怒っているような威嚇しているようないつもよりも少し低い声。
瞬さんに肩を抱かれ屋上を後にする瞬間にその人は微かに呟いた。
「じゃあな」
振り返った私に向けられたその人の余裕気な顔。
でもすぐに後ろで歩く大樹さんと昴さんの陰に隠れて見えなくなってしまった。