まだ知らない愛。

久々に来た倉庫でやっぱり変わらず私にも挨拶をしてくれるチームのみんなは元気そうだったけどきっとこの四人から微かに放たれているオーラに怯えているはず…。
倉庫までの道のりでは誰も口を開かなかった。
あの大樹さんでさえ前を向いたまま無言だった。

「立ってねぇで座れ」
そして今。
机を囲むようにソファに座る四人に見つめられていてなんだかその光景は会議に来た気分になる…。
いつまでも突っ立ている私に呆れたように溜め息をつく。
「説教が始まるわけじゃねぇんだ。座れ」
「はい…」
「あ、桜ちゃんなんか飲む？」
こんな時でも気が回る葵さんは本当に紳士だ。
正直今、こんな張り詰めた空気だから緊張からかすごく喉が渇いている。
「えっと…じゃあ、オレンジジュース…」
「わかった。ちょっと待っててね。」
冷蔵庫から取り出したオレンジジュースを私に渡して席に着くとまた沈黙が流れた。


「桜」
「はいっ！」
あ、やってしまった…。
緊張のあまり突然名前を呼ばれて元気よく返事してしまう私のせいでまた流れる沈黙。
…というよりなんでこんな状況になってるの？
本当に会議でも始まるのかと思うほど四人は真面目な顔つきだから思わず首を傾げる。