まだ知らない愛。
「どっか行きたいところあるか?」
「え?」
「暇だろ?」
確かに今日は大樹さんがすぐ寝ちゃったし葵さんは昴さんと何か話してるし瞬さんは書類に目を通していたから暇だった。
そんな私に気づいたのかバイクのキーを持って立ち上がりながら言う。
「いいの?」
「どこ行きたい?」
「焼肉!!!!」
ビクッ
いきなり大きな声で発するタイミング良すぎる大樹さんの寝言に驚きながらも少し笑ってしまった。
「海行きたい」
と言って瞬さんのバイクへ向かう。
瞬さんは自分のメットを被るとやっぱり私にも
被せてくれて、軽々と私を持ち上げてバイクの後ろに乗せてくれた。
そんな光景を倉庫前にいたチームの子達は唖然として見ていた。

< 125 / 228 >

この作品をシェア

pagetop