まだ知らない愛。
手招きをしながら主語なしで聞いてくる瞬さんの隣に座る。
「あいつに話しかけられたりしたか?」
あいつ?真藤翔のことかな?
「ううん、あれ?ていうか今日学校来てるのかな?」
「は?」
「今日見た記憶がない」
朝はいなかったし、私の頭の中はそれどころじゃなかったから見てないし話しかけられていたとしてもきっと無視の状態だったと思う。

キョトンとした顔で私を見る四人に戸惑い、
「え?ごめんなさい?」
と何故か疑問系で謝ると一斉にブハッ!!!!と
笑い出した。
え、なに?なんで四人とも爆笑してるの?
訳がわからずオロオロする私に大樹さんは
「桜ちゃん最高!」とお腹を抱えながら笑う。
あの冷静な昴さんさえも手で口元を少し隠しながらフハハと笑っている。
何がそんなにおかしいんだろう?
「それでいい」
クックッ…と笑いながら私の頭を撫でる。
「あ、そうだ桜ちゃん」
笑いが収まったらしい葵さんは私に優しく声をかける。
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