まだ知らない愛。

今日も屋上で寝転がり、空を見る。
「おい、何笑ってんだよ」
微かに笑う私の視界を瞬さんの顔が埋め尽くし、首をかしげている。
「なんでもないよ」
そう笑うと瞬さんは私の耳元で甘く囁く。
「今夜、覚えとけよ?」
「…ッ」
一気に真っ赤になる私を見て瞬さんが意地悪い笑みを浮かべて私を見下ろしている。
そんな瞬さんも愛おしくて、私からそっとキスを落とした…。


私に居場所をくれた。

私の全てを受け入れてくれた。

瞬さんに出会って、心から笑えた。

初めて友達ができて、私なんかに元気に挨拶をしてくれる仲間ができた。
悲しい涙ではなく、嬉しい涙があることを知った。
誰よりもこの人を守りたいと思い、傍にいたいと思った。
この人しか愛せないと、愛おしいと思った。
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