まだ知らない愛。
屋上に着くなり寝転がる大輝さんは
本当に犬みたい。
「桜ちゃん」
葵さんは私を呼ぶとさっき購買で買ったのか
パンをくれた。
…本当に葵さんは優しいな…。
「あ、お金…」
パンのお金を払おうとすると
「いいからいいから」
そう言って受け取ってくれなかった。
どこまでもカッコよくて優しい葵さんには彼女がいるんだろうな…。
私はありがたくパンを貰って食べていた。
外は暑いけど風は涼しい。
大輝さんは寝てしまったのかグーグーといびきをかいている。
「大輝も龍神なんだよ」
「そうなの?」
「うん。あれでも幹部だよ」
「へぇ…」
大輝さんも龍神なんだ…
なんかみんなを盛り上げてそうだなぁ…。
葵さんとそんな話をしてたとき
屋上の扉が錆びた音をしながら開く。
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