まだ知らない愛。

静かに扉を開いて家に入った。
なるべく音を立てないように。
私の存在を示さないように…。

いつもなら家にいない時間のはず。
なのに玄関には母のヒールと
男の人の靴があった。



リビングから漏れる光と母の声。
それは今まで何回も聞いてきた母の女の声。
吐き気がする。気持ち悪い。
いつも連れてくる男の人は毎回違う人…。
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