まだ知らない愛。
一気にが吹き出る汗。
一気にが早くなる鼓動。
痛い、熱い。
そんな言葉じゃ表せない程の痛み。


「あんたがいけないのよ?」
静かに甘美に言うその言葉と共に私の背中に
何度も押し当てられる火の塊。
まだ治りきっていない痕の上から何度も…
一生治らない傷。
一生消えない罪の印を母は与えた。

「…ごめんな…さい…。」
朦朧とした意識の中で


「生まれてきたことがあんたの罪よ」

そう言って部屋を出ていく母を



見つめることしか出来なかった―…。
< 61 / 228 >

この作品をシェア

pagetop